医療用語集 tttake’s diary

医療用語研究(勉強)  略語・隠語・ドイツ語・英語・カタカナ語などを紹介・おすそ分け。

Medical jargon 医療俗語・医療隠語(米国中心で) ㉛「Ghost ゴースト」

Ghost = 幽霊  亡霊、怨霊、青ざめた人、やつれた人 
  かすかな痕跡[面影] わずかな可能性、 弱々しい人、弱体化したもの
  アメリカの医療業界隠語では、医学生の事を言うらしい シャドウ研修の時のように指導医に付いて回って邪魔になるし、幽霊のように何の役にも立たないから?
勿論、医療機器などのアーチフェクトをゴーストと呼んでいる場合がある。

 

Artifact アーティファクト 本当は存在しないのに、機械や装置の性質上出てしまう誤差 ≒ノイズ 偽所見 「虚像」 人為的結果, 人為産物, 人為現象, 人工産物, 
CTやMRI画像解析で問題となる 
信号処理などで、観測や解析の段階で発生したデータのエラーや信号のゆがみ
負荷心筋血流SPECT画像の下壁の陽性所見とアーチファクトとの鑑別は・・・・
「こら!打目森!それ、ゴーストや!アーチファクトやろ、騒ぐな! 患者の方には、何の変化も問題も無いぞ!」 

 

Ghost surgery  ゴーストサージャリー ゴースト手術  本来手術する資格の無い外科医や患者の同意(許可)の無い医師がする手術  レジデント・研修医等が患者の同意なしに手術する 米国隠語
「5Fの河中縞さんの手術を、あの阿寒森にさせるのですか? それ完全にゴーストになりますけど?」「いいんだ、河中縞さんはステージⅣの後ろの方だろ? まあブラックタグ手前の患者のようなもんだろ?・・彼はエルステオペ前だけど、医師免許は有るんだし、前に日付無しでもらった患者の同意書・サインもあるから大丈夫や、俺が前立(第一助手)するしな・・・患者も除去手術で楽になるはずやし・・・阿寒森君には後日、皆に知らせてからマーゲンのエルステオペでもやってもらう、まあ今日は練習試合やな!これ内緒やぞ・・・」
Triage tag トリアージタグのブラック
Deceased 黒(全く治療されない・直ちに処置しても救命が不可能 無呼吸群・ほぼ心肺停止)
Erste エルステ (独) 最初の・一番目の エルステ・オペ=初めての(大きな)手術 
アメリカでは研修医がブラックタグの患者に勝手に手術をして大きな問題になった事がある。

 

Ghosting  ゴースティング  普通に使うと、〔テレビ・ディスプレー・写真などの〕ゴースト発生 又はドロンすること  医療・介護・保険業界などなら、死んだ人になりすますこと 故人のクレジットカードで買い物をしたり、高齢な親や配偶者の死後も死亡届を出さずに年金を受給し続けたりするなどなど 
① 「胡麻樫森さん、お父様は?」 「も・勿論、げ・元気ですよ」 「確か3年前の97歳の時に末期がんだったと記録にありますが?」「な・治ったんですよ」 
「でも、ここ3年の病院の受診記録も有りませんし、介護保険等も使ってませんよね?」「ち・父は、丈夫になって・・」「まさかゴースティングじゃないですよね?」
「も・勿論です、今旅行中で・・」 「100歳を迎えても、昔のように内閣総理大臣からお祝い状と記念品(金杯?)の贈呈はもう有りませんが、町長が御挨拶にね 勿論、私もその時に同席させていただきます」 「ハ・ハア、ち・父も・・・た・楽しみにしてると思います(床下の土の中で)」
② 「胡麻樫森さん、お母様は?」 「は・はあ・今、四国のお遍路へ行ってます・」
「一年以上健康保険や介護保険の記録が有りませんが・・・95歳でしょ・どうされてますか?」「な・なんだか、あ・歩いてるうちに元気になったそうなんです・・・ははは・・・」

 

Ghost Tablet ゴーストタブレット ゴーストピルとも   徐放剤などで、コーティーング加工した製剤は、主薬が溶け出した後の抜け殻(外枠)が白い形を保って排泄されることがある。 デパケンRオキシコンチン・ケーサプライ(これは発売中止)フェログラデュメット錠・コンサータ錠などなどで報告されている 
「お・欧東先生、先生の薬局でもらった薬を飲んだら、そのままの色・何かゆがんだ形で便の中に出てきました これ安物メーカーのゾロ品ですか? これじゃ私の病気どうなるんですか・・・」「区相森さん、落ち着いてください この錠剤は徐放製剤と言いまして・・・錠剤の周りに細かな穴が沢山開いてるんですよ、そこからゆっくり成分が溶け出します そして、丈夫な抜け殻の外枠・マトリックス基剤などと言いますが、これが排出されたもんなんです。大丈夫ですから、続けて飲んでくださいね・・・(便をほじくるなよ!くそメンドクセエ奴!)」
因みに、フィルムコーティーング錠等が何らかの理由(温度や経年変化で硬化とか、
製造時のミスなどで)で被膜が強くかかり過ぎた場合は、全く人体の消化管の中で溶解せず、本当にそのまま排出される事例も・・・・勿論、そのロットの全製品回収のメンドクサイ事件になる・・・

 

Ghost author ゴーストオーサー ≒ ghostwriter 学術論文出版時の幽霊著者 
オーサーシップ(著者資格)を持っているのに、著者として名前が論文に記載されない研究者 
例①研究に貢献した研究者の名前を著者として掲載しなかったケース(虐めかよ?)
例②製薬企業に所属する研究者が研究に貢献しても、企業に都合のよいように論文が
書かれたと思われることを避けるため、あるいは都合のよいように論文を書いたことを
隠すため、該当する研究者の名前を意図的に書かない
例③外部のメディカルライターなどが執筆した論文を自分が書いたようにして擬装発表例④逆に、全く関与していないのに名前だけ共著として載せてもらう)場合もある  韓国では、権力者の娘の高校生が何と、オーサー(first author)となって論文発表(高校時代に2週間インターン通学しただけの医学論文)し、その功績で医学部無試験入学が許されて、問題になったよね。  まあ金と権力で何でもできる!

特に修士・博士論文はその大学内だけの審査の為、力のある他の大学のゴーストライターに書かせてもバレ難いと言われている。

 

Ghost vessel ゴーストベッセル ゴースト血管  血液が流れ難くなった毛細血管で、その状態が続くといずれ消えてしまう。冷え症・高血圧・疲労の蓄積の原因となる 
「ほら阿寒森さん、これが貴方の毛細血管画像ですよ・・細くなって消えそうでしょ? こちらはちょっと元気過ぎる、うちの病院の王東先生の血管です(年齢は一緒やぞ)。 一目瞭然でしょ?このゴースト血管が、冷え症・高血圧・疲労蓄積の原因になります。 まず、タバコを止めましょうね(アンタ咳込んでますやん、タバコ臭いし)、それから・・・・」