Choosing Wisely 「賢く選択する」
米国内科専門医認定機構財団(ABIM Foundation)が始めたキャンペーンで使われ始めた言葉 「過剰で有害かもしれない医療行為を見直して賢い選択をしていこう」という活動 具体的な内容を筆者が一覧にしてみました。 貴方自身と家族のために、一見の価値ありと思う 英語で検索すれば、600近くが手に入るよ
米国医学会「無駄な医療行為追放キャンペーン」で挙げられた主な項目 550項目 以上ある メリットよりもデメリットが上回る医療行為 筆者選択抜粋 ②-64 | |
1 | 2種類以上の向精神病薬を一緒に使用するのは避けたほうがいい |
2 | 20歳以下の女性に「子宮頚がん」の検診をしない 治療に結びつかない検査はしない |
3 | 30~65歳の女性で子宮頸がんの細胞検査を毎年受けるのは、ほとんど無意味 |
4 | 4歳以下の子供の風邪に薬を使ってはいけない 勿論、成人でも風邪に抗菌薬は使わない |
5 | 75歳以上患者にはコレステロール低下薬は使わない |
6 | NSAIDsは高血圧の原因になるので、高血圧や心+B50:B62不全、腎疾患がある人は使うべきでは無い |
7 | PPI・プロトンポンプ阻害薬は、ほとんどの胸やけや逆流性食道炎には不要 |
8 | ST上昇型心筋梗塞であっても、詰まっていない血管に予防のためのステントはしてはいけない |
9 | インスリン不使用の2型糖尿病患者が「家庭で血糖測定」をするのは、ほとんど無意味 |
10 | ウイルス性の副鼻腔炎などに抗菌薬(抗生物質〕を服用するのは無駄 |
11 | ウィルス性の流行性角結膜炎に抗菌薬(抗生物質)を使用するのは無駄 |
12 | 喫煙者に対する肺癌のCT検査はほとんど無駄 ヘビースモカーでも見つかるのは稀 |
13 | 骨密度の検査は65歳未満では意味がない 骨折のリスクがほとんどないから |
14 | コルポスコピーは、子宮頸がんの経験がある場合も安易にしない |
15 | じんましんができても検査をするな 診断のための検査は必要ない |
16 | ステージ1(初期〕の非小細胞肺がんで、症状がないのに脳の画像検査は避けたほうがいい |
17 | ストレス性胃潰瘍になりがちな人が、予防のために薬を飲むのは無駄 |
18 | 脳動脈瘤のスクリーニング検査は無駄 CTやMRIでも見つかるのは稀 しかも費用が高い |
19 | ピルを処方するのに膣内診は不要 |
20 | 軽症の喘息や気管支炎の子供にX線(レントゲン)検査をするのは無駄 被爆も心配 |
21 | 健康な人に対するがん検診のPET検査やCT検査は、ほとんど無意味 健診は長生きにつながらない |
22 | 抗菌薬入りの点眼薬は不必要。有害なケースも 結膜炎の原因の多くはアレルギー性やウイルス性 |
23 | 高齢者の不眠や不安に対する睡眠薬は使わない 転倒や骨折のリスクが増す |
24 | 腰痛を治すために48時間以上横になるのは、ほとんど無意味 |
25 | 骨粗鬆症のDXA(骨密度)検査を2年に1度以上やるのは無駄 |
26 | 子供にCT検査やMRI検査を安易に実施しない/子供に「念のため」の検査は安易に行わない |
27 | 子供に多い停留睾丸に超音波検査をするのは、ほとんど無意味 |
28 | 子供の逆流性食道炎にPPI等の胃酸抑制の薬を使うのは無駄 |
29 | 子供の盲腸(虫垂炎)で、いきなりCT検査をするのは無駄 |
30 | 視力スクリーニング検査に引っかかった子どもでも、症状が無ければ読書用眼鏡は必要ない |
31 | 失神したからといって、CT検査やMRI検査をするのは、ほとんど無意味 |
32 | 初めて前立腺がんと診断された患者の骨転移の検査は不要 |
33 | 初期の乳がん患者が転移を調べるために画像診断を受けるのは、ほとんど無意味 |
34 | 症状のない人が健康診断を受けるのは、ほとんど無意味 エックス線を毎年浴びることになる |
35 | 心筋梗塞などの予防のための冠動脈CT検査は無駄 |
36 | 心臓病以外の手術で、手術前後に心エコー検査をするのは無駄 |
37 | 心臓弁置換手術の退院前に心エコー検査をするのは無駄 |
38 | 精神病でない子供に、いきなり抗精神病薬は禁物 |
39 | 前立腺ガンの検診のためにPSAは安易に測ってはいけない PSA前立腺がん検診をしない |
40 | 前立腺肥大の検査をするのは、ほとんど無意味 |
41 | 全てのがん患者にまで、分子標的薬を使用してはいけない |
42 | 足を引きずる症状や虚血の症状がなければ、脚の末梢血管を拡げるための再灌流療法は無駄 |
43 | 大腸の内視鏡検査は10年に1度で十分 |
44 | 単純な熱性痙攣にCT検査やMRI検査をしてはいけない |
45 | 男性の不妊症対策にテストステロンの処方は不要 |
46 |
中耳炎で抗菌薬を飲むな 真に抗菌薬投与が適切」と判断されるケースに限定 |
47 | 爪水虫のように見えても、その半数の患者には飲み薬は無意味 |
48 | 糖尿病で、スライディングスケール法(血糖値に応じてインスリンを追加)を用いて血糖値を管理しない |
49 | 頭痛の原因を調べるための脳波検査は無駄 |
50 | 頭痛の治療のために、薬局の頭痛薬を週に3日以上使用してはいけない |
51 | 頭部を打ったからといって、CT検査をするのは、ほとんど無意味 |
52 | 内科系の外来患者へのX線検査は、ほとんど無意味 |
53 | 乳がんの温存療法のひとつとしてIMRT(強度変調放射線)治療をするのは、ほとんど無意味 |
54 | 認知症では無計画にコリンエステラーゼ阻害薬(塩酸ドネペジル・アリセプト)を処方しない |
55 | 認知症による行動障害が現われても、「まず薬」で対処してはいけない |
56 | 認知症の高齢者に胃瘻をするのは避けた方がよい 米国ではまずやらない |
57 | 膝の関節痛にグルコサミンやコンドロイチンを服用するのは無駄 |
58 | 病気の予防のためのビタミン以外のサプリメント服用は避けたほうがいい |
59 | 腹痛などの症状がない女性が卵巣がんの検診を受けるのは、ほとんど無意味 |
60 | 平均寿命から5年未満になればマンモグラフィーは不要 |
61 | 薬は診断に適した必要最低限の処方 ポリファーマシーは問題外 |
62 | 予想される寿命の短い透析患者が、がん検診を受けるのは避けた方がよい |
63 | 予測される寿命が10年以内の人が、がん検診を受けるのは、ほとんど無意味 |
64 | 蕁麻疹の原因を調べるための検査は、ほとんど無意味 |
日本では、総合診療指導医コンソー シアムが、以下に挙げる”5つのリスト” を発表 |
1.健康で無症状の人々に対してPET-CT検査によるがん検診プログラムを推奨しない |
2.健康で無症状の人々に対して血清CEAなどの腫瘍マー カー 検査によるがん検診を推奨しない |
3.健康で無症状の人々に対して MRI 検査による脳ドック検査を推奨しない |
4.自然軽快するような非特異的な腹痛でのルーチンの腹部CT検査を推奨しない |
5.臨床的に適用のないル-チンの尿道バルーンカテーテルの留置を推奨しない |