医療用語集 tttake’s diary

医療用語研究(勉強)  略語・隠語・ドイツ語・英語・カタカナ語などを紹介・おすそ分け。

「ガイドライン ハラスメント」 273

「神戸の山手の阿寒森医院って知ってるか? 実は母親が近いからって通ってるんだけど、もの凄い古い薬で治療するんだぜ・・・・もう、最新のガイドラインに記載が無いような薬な・・・あの先生、ガイドラインなんか読まない・勉強しないんだろうなあ・・・あれって、患者にはハラスメントそのものや!」

 

Guideline   指針         米国医学研究所(Institute of Medicine)による定義では、
  「医療者と患者が特定の臨床状況での適切な診療の意思決定を行うことを助ける目的で系統的に作成された文書」   学会などが作る治療指針・診療指針・教科書的標準治療書 

ガイドラインが、ある特定の疾患等に策定された後は、世の医師は、ほぼ100%がそれに従うはず・・・治療薬が2種類あって、ガイドラインに載らない方(片方を否定?)の薬の売り上げが、ほぼゼロに近くなったことが実際にある            ガイドラインでは、やや否定的なグレードC以下の治療法・薬を使って、最悪の結果になった場合、もしもの訴訟の場面でどう言い訳する? まして、適応症(昔からの)は有ってもガイドラインに何の記載も無い昔の薬なんて・・・・


(注)添付文書で、ある薬の使用量が30mg~となっていても、ガイドラインが10mg~からの慎重投与となっていれば、世の医師は、ほぼ全員が10mg~から使う      当然、そんなもんです 

 「欧東先生、その疾患なら30mgから使ってください・添付文書では、そうなってますから」「君なア、最新のガイドラインではね、この薬は副作用を考慮して、10mgから使うことを推奨する・・・となっているんだ、まさか君は読んでないのか?」
「欧東先生、先日の件、本部に問い合わせたら、やはり添文とおりに30mg~との答えで・・」 「おいおい、副作用も患者の事も最新の知見に基づいたガイドラインも無視するメーカーかよ? もういい、君は二度と来るな!俺には必要が無い・・・・だいたい君も、30年以上も前に書かれた添付文書を改訂もせず、そのまま信じているのか? 君、頭おかしいぞ! 君は、確か薬剤師だったよなあ?」 


Clinical practice guidelines=診療ガイドライン  practice guidelineとのみ言う場合も

①もし貴方が医師・病院薬剤師なら、ガイドラインも読まずに自分勝手に自社の薬を売り込むMRなど出入り禁止にしたらいいと思う また会いたいと思う魅力のある(超美人とか)MRなら「君、まずガイドラインを読んでこの疾患を理解してから来なさい」と優しく指導すればいいと思う。

②もし貴方がMRなら、メインの薬・疾患のガイドラインも読まずに、社内教育だけの一方的な知識で医師に面会するのは、恥です 医療を馬鹿にする行為でもう犯罪に近い?かも  「そんなの、医師と会話しているうちに・・・自然に詳しくなるわい!」は大間違いです。

③もし貴方がMSなら、病気を順番にあげてガイドラインを読むべきです グレードAの薬を採用して無い得意先なら説得して開拓できるはず。 ゴールデンスタンダードの薬を使う事はなにより患者さんの為、貴方の大切な得意先の先生の評判を落とさない為です。得意先の医師が患者を病院紹介したときに「また石町の藪森先生か?・・・こんな古い薬を使って・・・治療になってない、患者が可哀想やろ?」って話しになりますよ・・・で患者が減っていく・・・売り上げが下がる・・・

④もし貴方自身や家族・子供がある特定の疾患に罹患しているなら、まずその疾患のガイドラインを読み込むのが当然です。 その疾患の検査・診断・治療・薬まで理解して、もし主治医がグレードの低い治療・薬を使っているなら指摘、ダメならすぐに他の医療機関に変更しましょう。貴方と貴方の家族の為です。 これをやらないのは、もう罪です! もう虐待と同じです! 知らない・知ろうとしない・後で知って後悔する・勉強しない・他人に任せる・・・は不可! 今の時代は、いくらでも深く勉強できるんですから・・・