医療用語集 tttake’s diary

医療用語研究(勉強)  略語・隠語・ドイツ語・英語・カタカナ語などを紹介・おすそ分け。

「Choosing Wisely チュージング・ワイズリー」って知ってる?「賢く選択する」って意味だけど

米国内科専門医認定機構財団(ABIM Foundation)が始めたキャンペーンで使われ始めた言葉 「過剰で有害かもしれない医療行為を見直して賢い選択をしていこう」という活動  450項目以上ある内の100を筆者が個人的に(独断・偏見で)選出しました。

  米国医学会「無駄な医療行為追放キャンペーン」で挙げられた主な項目   ②-100
2種類以上の向精神病薬を一緒に使用するのは避けたほうがいい
30~65歳の女性で子宮頸がんの細胞検査を毎年受けるのは、ほとんど無意味
4歳以下の子供の風邪に薬を使ってはいけない  風邪に抗菌薬は使わない
5つ以上の薬を患者に処方したり、長期・無期限に薬を続けたりしない
60歳≥では安易に降圧治療を開始しない  (SBP)<150 mm Hgまたは拡張期血圧(DBP)<90 mm Hg.
6ヶ月間の非手術ケアを試みる前に、足底筋膜炎の手術を行わない
70歳以上の女性の過活動膀胱を治療するために抗コリン薬を使用しない。
8歳未満の子供には、出来るだけX線検査・CT検査を行わない。
NSAIDsは高血圧の原因になるので、高血圧や心不全、腎疾患がある人は使うべきでは無い
ST上昇型心筋梗塞であっても、詰まっていない血管に予防のためのステントはしてはいけない
インスリン不使用の2型糖尿病患者が「家庭で血糖測定」をするのは、ほとんど無意味
ウイルス性の副鼻腔炎などに抗菌薬(抗生物質〕を服用するのは無駄
ウィルス性の流行性角結膜炎に抗菌薬(抗生物質)を使用するのは無駄
ウイルス性呼吸器疾患(中性症、咽頭炎、気管支炎、気管支炎)には抗生物質を使用しない
がんの程度を定義せずに、がん治療を開始しない (臨床ステージングを通じて) 患者と治療の意図を議論
ステージ1(初期〕の非小細胞肺がんで、症状がないのに脳の画像検査は避けたほうがいい
ストレス性胃潰瘍になりがちな人が、予防のために薬を飲むのは無駄
スピロメトリーなしで喘息を診断したり管理したりしない
せん妄で入院中の高齢者の行動症状を管理するために身体拘束を使用しない
せん妄で入院中の高齢者の行動症状を管理するために身体拘束を使用しない
テストステロン欠乏症の生化学的証拠がない限りテストステロン療法を処方しない
ピルを処方するのに膣内診は不要  骨盤検査やその他の身体検査も不要
ピロリ菌の血清学検査しないで、代わりに便抗原または呼気検査を使用
フェニトインやフォスフェニトインを使用して、薬物毒性や薬物離脱による発作を治療しない
下痢がない場合はクロストリジウム・ディフィシル感染の検査は避ける
外科的創傷に局所抗生物質を日常的に使用しない
患者が感染の徴候や症状を持っていない限り、培養(例えば尿、血液、痰培養)またはC.ディフィシルの検査   を行わない。 検査は診断と過剰治療につながる偽陽性の場合があり得る。
患者が感染の明確な証拠を持っていない限り、入院患者では72時間を超えて抗生物質を続けない
患者が手術室を出た後、外科的予防に使用される抗生物質を続けない
患者には出来るだけ抗生物質を使用しない。抗生物質は、C. ディフィシル感染等のリスクを高め、       他の有害な薬物事象につながることがある
患者の状態やケアが特にそれを必要としない限り、定期的なケアのために患者を起こさない(無理に目覚めさせない)  入院中に眠っているのに、起こされて「ご気分はどうですか?」って言われたことがある。     「気持ちよく寝てたのに、気分悪いわ!ボケ!」とは言わなかったけどね
患者の頭の毛を含む外科部位の毛を取り除かない、髪を取り除く必要がある場合は、剃らない
感染の臨床的証拠がない限り、アトピー性皮膚炎の治療に経口抗生物質を使用しない
気管支炎の小児に気管支拡張薬を日常的に使用しない
急性アキレス腱断裂の疑いのある患者では、MRIを実施しない
軽症の喘息や気管支炎の子供にX線(レントゲン)検査をするのは無駄・危険
欠乏がない限り、多発性神経障害や神経因性疼痛の治療にビタミンB群サプリメントを日常的に使用しない
健康な人に対するがん検診のPET検査やCT検査は、ほとんど無意味
腰痛を治すために48時間以上横になるのは、ほとんど無意味  早くから動く方が予後がいい
骨粗鬆症のDXA(骨密度)検査を2年に1度以上やるのは無駄
子供に多い停留睾丸に超音波検査をするのは、ほとんど無意味
子供の逆流性食道炎に胃酸抑制の薬を使うのは無駄
子供の盲腸(虫垂炎)で、いきなりCT検査をするのは無駄
自己免疫疾患患者の慢性疼痛管理のためのオピオイドは処方しない
失神したからといって、CT検査やMRI検査をするのは、ほとんど無意味
初めて前立腺がんと診断された患者の骨転移の検査は不要
初期の乳がん患者が、がん転移を調べるために画像診断を受けるのは、ほとんど無意味
女性アスリートトライアドによる無月経や月経機能不全の患者の初期治療として経口避妊薬を処方しない
女性の合併症のない尿路感染症(UTI)の第一線治療にはフルオロキノロン抗生物質の使用を避ける
小児外傷患者に全身コンピュータ断層撮影・CTスキャン(パンスキャン)の日常的な使用を避ける
症状のない人が健康診断を受けるのは、ほとんど無意味
心筋梗塞などの予防のための冠動脈CT検査は無駄
心臓手術の前に、呼吸器症状がない場合に肺機能検査を行う必要は無い
心臓病以外の手術で、手術前後に心エコー検査をするのは無駄
心臓弁置換手術の退院前に心エコー検査をするのは無駄
成人の不眠症の第一線の介入として、抗精神病薬を日常的に処方しない
精神病でない子供に、いきなり抗精神病薬は禁物
前立腺がんの検診のためにPSAは安易に測ってはいけない 前立腺肥大の検査をするのは、ほとんど無意味
全てのがん患者にまで、分子標的薬を拡大使用してはいけない
足の骨感染症(骨髄炎)を診断するためにMRIを日常的に使用しない
足を引きずる症状や虚血の症状がなければ、脚の末梢血管を拡げるための再灌流療法は無駄
大腸の内視鏡検査は10年に1度で十分  10年間(どんな方法でも)大腸癌スクリーニングを繰り返さない
単純な過活動膀胱(OAB)患者の最初の検査では、膀胱鏡検査、泌尿器力学、診断腎および膀胱超音波を行わない。
単純な熱性発作・熱性痙攣の小児患者にCT検査やMRI検査をしてはいけない
単純な喘息や気管支炎の小児に胸部X線検査をしない
徴候や症状のない限られた平均余命の透析患者に対して、定期的な「がん検診」を行わない
爪水虫のように見えても、その半数の患者には飲み薬は無意味  真菌感染の確認なしに、疑わしい爪真菌   に対する経口抗真菌療法を処方しない
低リスク腹腔鏡下の処置で予防的抗生物質を日常的に投与しない
低酸素症でないがん患者の呼吸困難を和らげるために補足酸素を投与しない
転移のリスクが低い早期前立腺癌のステージングでPET、CT、放射性核種の骨スキャンを行わない
糖尿病や高血圧や心不全やCKDを持つ個人の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)を避ける
頭痛の原因を調べるための脳波検査(EEG)は無駄
頭痛の治療のために、薬局(OTC?)の頭痛薬を週に3日以上使用してはいけない
頭部を打ったからといって、CT検査をするのは、ほとんど無意味
同等に効果的で低コストの薬が利用可能な場合は、高価な薬を使用しない
突然の難聴のために頭/脳のコンピュータ断層撮影(CT)スキャンをしない
内科系の外来患者へのX線検査は、ほとんど無意味
乳がんの温存療法のひとつとしてIMRT(強度変調放射線)治療をするのは、ほとんど無意味
乳幼児にフッ化物歯磨き粉を使用しない
尿のディップスティック検査(尿検査紙)の結果だけで微小血尿症を診断しない  米国なら、自分で口中を噛み切って尿検査のカップに血液を入れて、鎮痛剤(麻薬)をねだる手口もある
尿失禁を管理するために、尿カテーテルを設置しない
尿路感染症(UTI)と一致する症状がない限り、尿培養をオーダーしない
妊娠を開始しようとする/熟考している男性にテストステロンやテストステロン製品を処方しない
認知症による行動障害が現われても、「まず薬」で対処してはいけない
認知症の高齢者に胃瘻をするのは避けた方がよい  代わりに経口補助給餌を
年齢に関係なく、無症候性成人の毎年の検査で甲状腺刺激ホルモン(TSH)スクリーニングを避ける
肺癌のリスクが低い患者には、肺癌のCTスクリーニングを行わない
非特異的な腰痛の患者で画像検査をしない
膝の関節痛にグルコサミンやコンドロイチンを服用するのは無駄
病気の予防のためのビタミン以外のサプリメント服用は避けたほうがいい
不妊症の定期的な評価で子宮内膜生検を行わない
婦人科癌、特に卵巣癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、外陰および膣癌の女性における癌監視のための        日常的な画像化を避ける
腹痛などの症状がない女性が、卵巣がんの検診を受けるのは、ほとんど無意味
平均余命が10年未満と推定される場合、乳房、大腸または前立腺癌のスクリーニングをしない
変形性膝関節症、股関節変形性関節症、腰痛、ローテーターカフの治療にオピオイドを日常的に使用しない
予測される寿命が10年以内の人が、がん検診を受けるのは、ほとんど無意味
卵アレルギー患者のインフルエンザワクチン接種を日常的に避ける必要は無い
老年患者への不眠症の長期治療のために、鎮静性催眠・ジフェンヒドラミンベンゾジアゼピン等)を      日常的に続けない。代替として認知行動療法を使用することを検討。
臍ヘルニアのほとんどの小児を小児外科医に4-5歳前後まで紹介することは避ける
蕁麻疹の原因を調べるための検査は、ほとんど無意味