医療用語集 tttake’s diary

医療用語研究(勉強)  略語・隠語・ドイツ語・英語・カタカナ語などを紹介・おすそ分け。

医療用語の「事故関連」特集① 「インシデント」「アクシデント」「ディザスター」

Accident アクシデント (偶然または不慮のよくない)出来事,事故,災難   「避けることができない、運命的なもの」という意味が含まれている。  

(注)「事故」を意味する英語として、以前はAccidentという語が使用されていたが、最近ではInjury・インジュリーが使用される。 Accidentには「避けることができない、運命的なもの」という意味が含まれているが、「事故」は科学的に分析し、対策を講ずれば「予防することが可能」という考え方が一般的になった。

 

Incidento インシデント 出来事, (重大事故の未遂事例)
医療では、医療者が原因の事故。  日本では事故は起きたが害は無かったもの・事故にはならなかったものをインシデント(ヒヤリ・ハット事例)と言い、実際に起きた事故をアクシデントと言う。
「患者の顔の横の枕に、針の付いた注射器を落としてしまった・・・害は無い?」
「人工呼吸器の電源コードを引っ掛けて、止めてしまったがすぐ復旧させたので、害は無い?」 「患者に飲ませる薬を床に落として、すぐ拾って飲ませた。3秒以内なので害は無い?」 「点滴用のラインを取って(血管に針を刺して)落とす前に、点滴バッグの取り間違いに気づいてすぐ取り替えた。ラインごと交換したので害は無い」
実際に起きたことは、害が無くても事故のはず。起きそうになった(落としそうになった)がインシデント(ヒヤリ・ハット事例)のはず。 危ないから、事故を起こさない対策を取る。「起きたことだけど害は無かった」と「起きそうになった」は決定的に違う。 別々に報告・検討して対策を取るべきだと思う。
Incidento→Accident→Disasterの順番で重大事故になる。
Incident report(インシデントレポート):ヒヤリ・ハット報告書  普通、医療機関では定期的に、これを作成して、対策会議をする。このレポートが少ないこと自体が医療事故時に問題となる。
Critical Incident 予測できない突然発生する事故や災害
Incidental finding (検査目的以外に検出された異常所見)  偶発的所見, 偶発病変
Incidentaloma (無症候でありながら画像診断で発見される腫瘍) 偶発腫 

 

Disaster  ディザスター 災害  (大規模で突発的な)天災,災難, 大災害 災い   (事故などによる)惨事 (生命・財産などを失わせるような突然の,または大きな)災害.
Disaster medicine 災害医学
disaster medical assistance team  災害派遣医療チーム DMAT ディマット