医療用語集 tttake’s diary

医療用語研究(勉強)  略語・隠語・ドイツ語・英語・カタカナ語などを紹介・おすそ分け。

298 「ジスキネジア ハラスメント」

「僕が口をすぼめたり、モゴモゴさせるのは小さいときからの癖なんです・・・それを充分知っていて、課長達が僕をからかうんです・・・・会議の時などに、コラ!酢寒森!口をモゴモゴさせずにはっきり喋れ! それジスキネジアか? などと言われるのは辛いんです・・・こんなの虐めや!ハラスメントや! 本物の病気で苦しんでる人にも失礼やろ?」


Dyskinesie ディスキネジー (独) 英語ならジスキネジア(ディスキネジア)Dyskinesia (英)  運動(kinesia)の異常(dys)という意味 

dys- ディス(異常、障碍、不全、困難) 

自分では止められない、止めてもすぐに出現するといった、おかしな動きの総称。  体がくねくね意図せずに動いてしまうとかの運動合併症
「繰り返し唇をすぼめる」「舌を左右に動かす」「口をもぐもぐさせる」「口をつきだす」などなど
アキネジア、ジストニアアカシジアは、基本的に急性型で、抗精神病薬を減量したり、変更することで改善されるが、遅発性ジスキネジアは、慢性で難治性 
元々は向精神薬などの薬剤によって誘発された不随意運動に用いられた言葉で、
不随意運動の性状を表す言葉ではないんだけどね。


「じゃ、胡麻森君は沖縄に転勤だ!いいね  なんだ?口をモグモグさせて・・・嫌なのか?」「いえ、こ・これは薬によるジスキネジアのせいです。 行きます、行きます、う・海は大好きです・・・・(此処で虐められるより、よっぽどいいです)」 

Tardive Dyskinesia 遅発性ジスキネジアドパミン遮断作用の強い抗精神薬の長期投与によって引き起こされる無意識な口のもぐもぐ運動,舌の回転・出し入れ運動等

 

Akathisia アカシジア 静座不能症(錐体外路症状で)   (独) Akathisie
 抗精神病薬の副作用などで発現  ジッと座っていられない状態         「欧東君!どうした? またか? 君はアカシジアか? 少しはジッとして聞いていなさい! 全く!」

 

Akinesia Akinesis アキネジア アキネシス アカイネジア(シス) (独)Akinesie
錐体外路症状による随意運動能力欠如による運動不能のこと   無動
無動症・運動不能症 動きが稚拙になり、筋の緊張も亢進し、筋固縮が出現した状態 
 抗精神薬によるEPS(錐体外路症状)でよくみられる キネシアは運動を意味し、  アは否定を意味

 

Dystonia  ジストニア・ディストーニーアー 捻転症 Dystonie(独)   ジストニー

 中枢神経系の障碍による不随意で持続的な筋収縮等の運動障碍の総称  身体の一部または全身に不随意の持続的な筋収縮が生じる  主に頸部筋、躯幹筋に捻転が起きる 

 語源はdys=異常、tonia=緊張であり緊張の異常という意味
日本神経学会の用語では「ジストニー」と表記 全身に現れる「全身性ジストニア」 と、症状が体の一部分のみに起こる「局所性ジストニア(フォーカル・ジストニア)」がある